歴史の中の絵

人類史上ずっと古い時代から、絵は人間の生活の中に存在し、
人々の生活に寄り添ってきました。
 
ラスコーの壁画には、何百もの牛や馬がダイナミックに描かれており、
当時の人々の狩猟の成功への願いが込められていたとも言われています。
 
人がより良い生活を求めるとき、絵はその願いを表現するための適切な手段であり、
人類の様々な想いや情熱が、壁面や紙、キャンバスの上に描かれてきました。
 
一度描かれた願いは生活空間の中に飾られ、夢が実現するまでの長い道のりの道標として、
人々の生活の中に息づいていました。

Lascaux01

ラスコー洞窟の壁画


ところが長い月日を経た今、いつしか絵には、
日常生活からかけ離れた場所にある高貴なもの、
とても個人では所有できない文化財のようなもの、
というイメージが定着してしまいました。
 
『願いをかなえるための道具』という本来の意味が忘れ去られ
『希少価値』や『逸話』の要素だけが強調された結果、
このような姿になっているのだと思います。
 
絵本来の楽しみ方は、『夢や願いの道標』として、
普段の生活空間の中に飾り、眺め、楽しむことだと思います。
 
目が飛び出るような価格の骨董品ではなくても、
有名な画家が描いたお墨付きの作品ではなくても、
あなたに相応しいと思える絵を選び、楽しむことが大切です。

楽しみのエッセンス 一覧に戻る